介護難民というのは、介護が必要なのに介護サービスを受けられない状態の人のことです。
今現在ではまだ介護難民と言われている人はいませんが、今後、介護難民が沢山出るのではと言われているのです。
現在でも費用が安くすむ特別養護老人ホームに、入りたくとも入れない人がかなりいます。
入居待ちの人が30万人を超えているとされています。
2014年に要介護3以上の人でなければ入居出来ないという規定が出来、それで入居待ちの人数がかなり減ったのですが、それでも30万人を超える高齢者が入居を待っている状況です。
しかも介護や支援が必要な高齢者はどんどん増えて行っています。
それは団塊の世代と言われる、第一次ベビーブーム(1947年から1949年)で生まれた人たちが、現在では70歳以上になっていることからも分かります。
2000年には要介護・要支援に認定された人たちは218万人でした。
ところがその17年後には認定された人数が622万人と、3倍に増えているのです。
驚くほど早いペースで増えているということが分かります。
そのためこれから益々介護職員が必要なのですが、介護施設等の人員がかなり不足しています。
約57パーセントの介護施設で、人員不足が起きています。
それで2025年には介護サービスを受けられない介護難民が43万人になるだろうとの予測が出たため、介護難民という問題が急に浮上してきているのです。
介護の仕事は、かなりの重労働ですし、精神的にもストレスを受ける仕事です。
夜勤があることもあります。
それなのに、その仕事に見合った賃金が払われていないとも言われています。
ですから、介護の仕事に就く人がどんどん減っていますし、仮にその仕事についても、辞めてしまう人も多いようです。
そうなると、人員不足はなかなか解決しないと言えるかもしれません。
そうすると、今後、2025年になる前にも、介護サービスを受けられない高齢者が出てくる可能性もあります。
自宅での訪問介護を望んでも来てもらえないとか、特別養護老人ホームへの入居も今よりもっと困難になるかもしれません。
介護難民にならないようにするにはどうしたら良いのでしょうか。
まず、自分自身で出来る事として、要介護にならないために、体を鍛えるということでしょうか。
また、病気予防にも気を配る必要があるでしょう。
日本の高齢化はどんどん進んでおり、現在では4人に1人が65歳以上であるとされています。
老老介護や認認介護などの問題も起きていますが、同時に高齢者の一人暮らしも増えており、それに伴う問題も起きています。
65歳以上の1人暮らしの世帯は、高齢者世帯の半数近くにもなっています。
特に高齢女性の一人暮らしは高齢男性の一人暮らしの2倍を超えています。
男性より女性の方が長生きしますし、夫が亡くなって一人暮らしになった女性が、子供とは一緒に暮らさずに1人で暮らすということが多いようです。
では高齢者の一人暮らしには、どのような問題点があるのでしょうか。
それは孤立してしまう、という事です。
特に男性は近所付き合いが苦手だったりして、孤立しやすくなります。
しかも現役時代は一生懸命仕事に励んでいたので、近所に知り合いも出来ませんから、いざ高齢になり1人暮らしとなると、孤立してしまう傾向があります。
健康がすぐれない高齢者も孤立しやすくなります。
外出しないで家に閉じこもりがちになり、お弁当の宅配などを頼んだりするので、買い物にも行きませんから一層孤立してしまいます。
経済的に困窮している高齢者も孤立しやすくなります。
お金に余裕がないと人との付き合いもおっくうになり、家に閉じこもりがちになってしまいます。
大都市に住んでいる高齢者は孤立しやすくなると言われています。
それは大都市ではすぐそばに店があったりして、人を頼らずに暮らして行く事が出来てしまうからなのです。
田舎のように地域に密着した付き合いもありませんから、孤立してしまいます。
それに元々高齢者は、人に迷惑をかけたくないという気持ちがあります。
ですので、隣りの人に迷惑をかけたくないので、何とか自分で頑張ろうとしてしまう人も多いようです。
こういった孤立した高齢者は、人と会話することも少なくなり、毎日毎日、誰とも話していないという人も少なくありません。
人との交流がなくなると、殆ど家に閉じこもりがちになり、それがうつ病を発症する原因ともなってしまいます。
またそういう孤立した高齢者は、身近に相談する人もいないので、オレオレ詐欺に引っかかったりもしてしまいます。
そのため、少ない貯金を全額取られてしまったという人も少なくありません。
そして最悪は孤独死してしまい、そのまま何週間も発見されないという事にもなってしまいます。
近所の人が異臭に気づいて発見された、という事もたまに聞く話しでしょう。
そうならない為にも、地域との交流が大切だという事が分かります。
日本は高齢化社会に入っていると同時に、核家族化しているので、高齢者が高齢者の介護をしているという状況が増えて来ました。
いわゆる老老介護の世帯が多くなっているのです。
老老介護を厳密に言うと、65歳以上の人が65歳以上の人を介護している、状態です。
超老老介護というのもあり、これは75歳以上の人が75歳以上の人を介護している状態です。
介護している人が、30代40代なら問題はないかもしれません、それでも介護は重労働でもあるので、40代でも腰痛になったりします。
ましてや介護している人が65歳を超えていると、介護はかなりの重労働となり、肉体的にも精神的にも介護している人の負担は大変なものがあります。
しかも介護する高齢者が夫で、介護される高齢者が妻であった場合、さらに大変になります。
高齢者の夫は、家事自体苦手な人が多いですから、妻であれば何でもない炊事、洗濯、掃除等の仕事がとても苦に感じるのです。
ですので夫には介護に加え、そういった苦手な家事もしなければならなくなります。
それに、ヘルパー等の他人を家に入れることを嫌う高齢者も多いので、何とかして自分でやろうとしてしまいます。
又、経済的に困窮している家庭もありますから、介護サービスを受けたくても受けられなかったり、施設へ入れたくても入れられないという場合もあります。
日本の平均寿命は世界でもトップクラスですが、元気で暮らせる健康寿命が長いといういう訳ではないのが問題点です。
2018年の日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性が87歳でしたが、その年齢まで元気で自立した生活が出来るというわけではありません。
女性の健康寿命は約74歳ですから、74歳以降は介護が必要になる可能性があるということで、誰しもがそうなるということではありませんが、介護が必要になる年月が13年もある、という事になります。
男性の場合は健康寿命が約70歳なので、11年間は介護を受ける可能性があるということになります。
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